先日、電車に乗っていたときのことです。
そろそろ駅に着くからとドアの前に移動したんですね。そして、ドアのガラス窓に映る自分を見て「えーっ……」と思わず心のなかで声をあげてしまいました。
わたしの前髪の左半分が思いっきり上に上がっていたのです。
この日はとても風の強い日でした。
わたしは電車に乗ってから、手ぐしでササっと直したつもりでしたが、前髪はまるで寝癖のようにピョンと跳ね上がり、自由奔放もいいところです。
「こんな姿のまま何十分も電車に乗っていたなんて……恥ずかしすぎる」と顔から火が出る思いでしたが、髪を直しながら、窓に映る乗客にふと目をやると……。
誰もこちらを見てやしない。
みんな、手元のスマホに夢中になっているではありませんか。
わたしの自意識過剰もいいところです。
あまりに誰もが下を向いていて、その無関心な様子に、まるでわたしが存在していないかのように思えて、ちょっと寂しくなったほど。
そりゃそうですよね。知らない人の髪がボサボサだろうが、なんだろうが、一瞬は「あ、あの人」と思っても、次の瞬間にはどうでもいいことです。
誰も、いい意味で他人のことをそれほど気にしていません。自分をとりまく世界のことで精一杯です。
そんなことに、あらためて気づかされた出来事でした。
電子書籍を出すことも最初は抵抗があった
気づけば7冊も出している電子書籍ですが、最初は少し抵抗がありました。ふだん、まわりの人に、こんなに自分の思っていることや考えていることを話すことなんて、なかなかないからです。
なんだか、わたしの内面を知られてしまうようで、ちょっとした怖さがあったのです。
かといって、本を出すのをやめようなんて一ミリも思いませんでしたが、心のなかではソワソワしていました。
ところがいざ出版してみると、わたしが本を出していることに気づいて読んでくれた友人も知人も、わたしが当初恐れていたようなことは、誰一人として言ってきませんでした。
むしろ、温かい言葉をもらうばかりで、とんだ思い過ごしでした。
それどころか、本を読んでくださった方々からも、ときどき、うれしくて温かい言葉をいただける日々です。勇気を出してやってみたからこそ、今のこの幸せな環境があるのだと感じています。
やりたいことをやっても、誰にも迷惑かけない
もし、やりたいことをやって、誰かが何か言ってきても、そうしたまわりのざわつきは、ただのBGMだと思うようにしています。
「あなたに迷惑かけているわけじゃないし」
そんな、ちょっと強気な姿勢を、心のなかに忍ばせておくくらいが、わたしにはちょうどいいみたいです。
ところでわたしは、マインドフルネス瞑想を習慣にしているのですが、このことも長いあいだ、まわりには言えませんでした。やっぱり、どこか怪しいと感じる人も少なくないからです。
別に、わざわざ言う必要もないと思っていましたが、プロフィールに書くようにしてから、ときどき「俺もやってるよ」「わたしもやってる」と声をかけられるようになりました。恐れていた反応とは違い、むしろ拍子抜けするくらいでした。
こうして、人目を気にしすぎる必要がないのだと気づくと、心のブレーキは、少しずつ外れていくのを実感しています。
わたしの人生だもの。これからも、やりたいことをひとつずつ形にしていけたら素敵だなぁと思っています。自由奔放な前髪に気づかないくらい、少しくらい落ち着きがない日々の連続でも、それもきっと、愛おしいわたしらしさです。

