喜多川泰さんの『いただきます。 人生が変わる「守衛室の師匠」の教え』を読みました。わたしが読んだのはKindleでしたが、紙の本だと321ページもある本です。
後半、号泣こそしなかったものの、じんわり目に涙がたまるような作品。電車じゃなくてよかったなぁと、ホッとしました。
心にあたたかさが残る本だったので「紹介したいなぁ」と思い、こうして書いているわけですが、自分だけの感想として書くのと、誰かに伝えようとして書くのとでは勝手が違い、ネタバレしないように書くにはどうしたらいいのだろう……。
と、そんなことを感じながら、書いています。
簡単なあらすじ
高校卒業後に、楽して稼いで遊びたいと、バイトを転々としながら過ごす、主人公の翔馬。そんな折、「楽に稼げる」と聞いてはじめたのは警備員のバイトでした。配属先は、大学。
19歳の翔馬にとって、自分と年齢の変わらない学生たちが通う大学で、老人たちと一緒に守衛室で働くなんて……一番行きたくない場所でした。
「すぐに辞めてやる!」──そう思っていた翔馬でしたが、守衛室で一緒に働く3人の生きざまを通して、考え方が少しずつ変わっていき、大きく成長することになります。
「いただきます」の意味
タイトルにもなっている「いただきます」の意味。
わたしは本を読んで、「いただきます」にこうした思いが込められているんだ、と、今まで考えたこともなかった新しい視点を得ることができました。
だからといって、正直なところ、「いただきます」を言うたびにそのことを考えるかと言ったら、すぐに忘れてしまったのですが。それでも、わたしたちはみんな、誰かの何かをいただいているのだと思うと、自然と感謝の気持ちが湧き上がってきます。
自分にしかできない何か
3人の人生の大先輩と過ごすうちに、少しずつ変わっていく翔馬。
自分にしかできない何かを求めるのだけれど、同じようにわたしもずっと、「自分にしかできない何か」を求めていたような気がしています。
けれど、この本に書いてあったことを読んで、自分にしかできない何かを探す前には大切にすべきことがあるのだと気づかされました。
そしてこれが、わたしの心に響いた一文です。
勉強にしたって、習い事にしたって、スポーツにしたって、やればやるほど上には上がいるという経験をするからね。
そう、だから、諦めてしまう。
未来の誰かの笑顔のために行動する
「未来の誰かのために行動する」という言葉は、Amazonの紹介文にも書かれている一文ですが、この本は「いただきます」に込められた思いより、むしろ「未来の誰かのために行動する」ことについて教えてくれているような気がしています。
おこがましいのは重々承知ですが、わたしも本を書いていて、未来の誰かのためになっていたら嬉しいし、これからも、どこかで未来の誰かのためになるような本を書いていけたらいいなぁ、なんてことをあらためて思いました。
世界がやさしく見えるようになる
本を読み進めるうちに、世界の見え方が変わっていきました。
「わたしの笑顔も幸せも、顔も知らないたくさんの人の努力によって生まれているのかも」と、そんなことを考えたら、みんなつながっていて、「世界ってやさしいのだなぁ」と、そんなことを思いました。
さて、この本について、わたしの思ったことをつらつらと書いてきました。 それにしても、ネタバレしすぎないように書くって、なかなかに難しいですね。
でも、この本を読み終えたあとの「世界が少しだけ温かく見える感覚」が、これを読んでくださっている方にも、少しくらい届くといいのですが。

